DBMとは、TOC(制約理論)における在庫管理ソリューションで使われるアルゴリズムである。
在庫というのは、顧客が欲しいときにすぐ提供できるように持っておくものである。持っておくべき量は、顧客からの需要(消費量)が大きければ大きく、小さければ小さくなる。この持っておくべき量を「在庫バッファ」と呼ぶ。なぜ「バッファ」と呼ぶかというと、この在庫が欠品に対する緩衝の役割を果たすからだ。
今日も、これからも顧客からの需要が同じであればよいのだが、実際には需要は変化する。売れる時もあれば、そうでないときもある。認知度が増し、需要が右肩上がりのときもあれば、製品のライフサイクルを終えそうなものもある。つまり、常に「在庫バッファ」の量を調整しないことには、その製品の在庫が過剰になってしまったり、あるいは欠品したりすることになる。
市場からの需要に応じて、在庫バッファを常に見直す仕組みが、「動的バッファ管理」(DBM)だ。ある意味、「かんばん方式」のかんばんの枚数を消費量に基づいて変えていく仕組みと考えてもよい。これをソフトウェアの中で実現できるのだ。市場の需要を「シグナル」ととらえ、在庫バッファがそれに反応して、みずからを最適化する「フィードバックアルゴリズム」であるという見方もできる。
DBMのアルゴリズムを用いると、欠品を減らしつつ、過剰在庫を減らすことが可能となる。これは、アルゴリズムが堅牢にできていることはもちろん、最大で何百万という数の製品の在庫バッファを常時監視し、適正な在庫バッファへと常に変更していくことがコンピュータの助けによって可能になったからである。
このアルゴリズムを実装したソフトウェアは複数あるが、世界中での導入実績を誇り、またゴールドラット博士の指導、ゴールドラットグループの経験を踏まえて作られた「シンフォニー」(Symphony)が優れている。シンフォニーを用いると、在庫だけでなく、製造やサプライチェーン、工程管理などもTOCの全体最適の考えに基づいて管理できるようになる。
また、在庫だけでなく、在庫生産と受注生産が共存するような環境にも対応できる。さらに、時折の大口受注や、季節による特需などかゆいところに手が届く仕組みも多く実装されている。
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