TOCの思考ツール「クラウド」を使いこなす上で、おそらく最も難しいのは「要望」と「行動」を使い分けることです。
「要望」とはクラウドのBやCに当たる部分、「行動」とはDやD‘に当たる部分です。
うまく書かれていないクラウドでは、「要望」と「行動」が逆に書かれていたり、「行動」が言葉を変えながら要望欄と行動欄に2度現れていたりします。「要望」をしっかりと捉えることが難しいのです。
そこで、BとCの位置に要望が書かれているかを確認してみましょう。
要望とは、人を行動へと駆り立てる、深みのある動機のことであり、多くの場合、ものごとの「状態」として表現されます。要望は、共通目標を達成するための必須要素です。
□ 一番簡単な確認する質問
B(あるいはC)を読む。
これは要望ですか?
これって、手段(アクション)ではないですか?
□ 行動から要望を抽出するための質問
D(あるいはD’)を読む)
この行動をとることでどうしたいのですか?
この行動をとりたい理由はなんですか?
「行動」は「要求」や「手段」という言葉により置き換えることができる。我々がとることができるアクションです。こちらは、書くのにそれほど苦労することは内容です。それだけ、私たちの頭は普段から「アクション」(ばかり)を考えているということかもしれません。
要望の例(一般化)
プラスを生み出す
プラスを増やす
プラスがある
プラスのままでいる
プラスを減らさない
マイナスを増やさない
マイナスにならない
マイナスがない
マイナスを減らす
マイナスをなくす
要望の例(収益)
利益をあげる
売り上げをあげる
資産を増やす
市場を拡大する
競争力を獲得する
迅速に結果をだす
収益を確保する
広範囲をカバーする
シェアを守る
お金を管理する
損失を出さない
財政を破たんさせない
コストを下げる
借金を減らす
要望の例(人間関係)
味方を増やす
尊敬される
チームが機能している
互いに尊重されている
良好な関係を築く
個々が能力を発揮している
周囲の協力が得られる
みんなと仲良くする
人間関係を保つ
仲間を守る
敵をつくらない
軋轢をうまない
信頼を失わない
傷つかない
要望の例(満足感)
健康である
平和である
チャンスがある
楽しい時間を過ごす
幸せな気分に浸る
他人に認められる
仲間に賞賛される
やりがいを感じている
問題を解決できる
心配事がない
争いが起こっていない
ストレスを解消できている
要望の例(教育)
責任ある子どもを育てる
優秀な人材を輩出する
おちこぼれを作らない